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ガラスと香水

ガラスと香水

こんにちは。
愛知県名古屋市のフレグランス(香水)メーカー、ジャパンスタイルフレグランスの大野智恵美です。

透明なガラス瓶の中で揺れる液体。
ガラスの香水瓶は、中身が入っていない状態でも、その透明な様子は、繊細さを感じさせてくれて、美しいと思います。
それが、中身が入ると、急に5倍も10倍も美しさが増すように感じます。

私にとって、これは、まるで魔法のよう。

人が香りをガラスの瓶に入れるようになった歴史は長いです。
古代ローマ時代の香水瓶は、長い時間をかけて、変光し、作られた時とは別の輝きを身につけたものもあります。中世では、色鮮やかなヴェネチアンガラスでつくられたり、アールヌーボー華やかな時代には、ラリックやガレに凝ったデザインで制作されました。

今では、高校生でも、気軽にフレグランスグッズを使う時代ですが、香水はもともと、王侯貴族のお楽しみでした。
貴重な香料に、特別贅沢な容器を使うのは、ごく当たり前なことだったのでしょう。

コレクターの秘蔵品の中には、中身が入ったままのものもありますが、多くは展示を美しくするためのライティングで、香りは劣化しています。
また、撮影のために、中身を入れ替える場合もあるようです。

やはり、中に液体を湛えてこその器なのだと思います。

こうして、ボトルの中で揺れる液体を見ていると、古の貴婦人方が、香水瓶から、シュッと一吹きした様子を想像しませんか?

私には、場所や時間さえも旅をさせてくれる、これは、やはり、琥珀色の魔法です。



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