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思い出の香り

思い出の香り


こんにちは。
愛知県名古屋市のフレグランス(香水)スクール、ジャパンスタイルフレグランスの大野智恵美です。

上級者レッスンに、ブランド香水のコンセプトを学び、その香りをモデルに、処方を組む、というものがあります。

こちらは、イブサンローランのParis。

これは、私にとって、思い出の香り。

大学時代の友人で、在学中は、それほどお話ししたことはなかったのですが、卒業してから、仲良くなった友人がいます。
彼女が20代後半で一人暮らしを始めた頃、この香りは、彼女のお気に入りで、彼女の部屋に遊びに行くと、いつもこれが香っていました。

懐かしく、心地よい思い出。
そして、同時に思い出されるのは、混沌としたあの頃の焦燥感。

その頃、私たちは、同じような年齢で結婚し、同じようなタイミングで、嫁ぎ先の土地から名古屋に戻って暮らし出しました。

世の中の多くの女性が、これから結婚して、家族を増やそうという時期に、一人で暮らし出す。

一人な分、自由。
親元にいた時よりも、大人になった分、自分の都合と判断で、時間もお金も、空間も好きに使える。
そんな時を、どう過ごしたらよいのかと、迷う気持ち。これから先の人生をどう進めばよいねかと、焦る気持ち。
それらがぐるぐると混ぜられて、時間の隙間がある限り遊んで、眠たくなるギリギリまで何かをしていた気がします。
多分、今、振り返ると、その焦りや不安や、楽しみたい気持ちが、私の人生で最大に膨らんでいた時期でした。

香りは大脳古皮質を刺激して、過去の記憶を甦らせる。

イブサンローランのParisは、20代後半の私を、今、また、目の前に見せてくれました。

あの時代があったからこそ、今の私。
ずいぶん遠くまで来た気もすれば、あの居ても立っても居られないいられない焦燥感は、まだすぐそこにある気もします。




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